自律神経のバランスを整えるCBD、医療目的での使用を求める声が高まっている

大麻草から抽出したCBDは、「リラックスできる」「痛みが緩和される」「疲れがとれる」などさまざまな効果が期待されている成分です。CBDには自律神経のバランスを整える作用があり、緊張や興奮を鎮めてストレスを緩和する効果が期待できます。アメリカではCBDを加工したオイルやサプリメントが普及しており、日本でも知名度が上昇しています。

そんなCBDですが日本では医療目的での使用が禁じられています。しかし、海外で行われた研究によってCBDの高い効果と安全性が示されていることから、近年では医療目的での使用を求める声が高まっています。

CBDは大麻草の種子と茎から摂れる成分

CBDは「カンナビジオール」とも呼ばれていて、大麻草(カンナビス)の種子と茎から摂れる成分です。

大麻草からはほかにTHC(テトラヒドロカンナビノール)という成分が摂れます。THCは葉と穂に多く含まれるマリファナの主成分です。向精神作用があり幻覚症状を引き起こすことから、日本では「麻薬取締法」で所持や生産を禁止しています。

一方のCBDには向精神作用はなく安全な成分です。もちろん幻覚を見ることもありません。麻薬取締法では大麻の種子と茎の使用が認められていますから、合法的に使用することができます。

CBDはストレスを軽減してくれる

自律神経の乱れがストレスを増やす

日々忙しい生活を送る現代人は仕事や人間関係が負担になり、多くのストレスに晒されています。このストレスを増やす原因の一つが自律神経の乱れです。

自律神経とは心臓などの臓器を動かしたり、脈拍や血圧を上げ下げしたり、汗をかいて体温を調整したりといった、あらゆる生理作用を調整する器官のことです。自律神経には緊張や興奮を感じたときに優位に働く「交感神経」と、心身が落ち着いたときに優位に働く「副交感神経」があります。私たちはこの二つの自律神経を必要に応じて交互に切り替えることで、体の機能を正常に保っているのです。

ところが過労や寝不足によって生活習慣が乱れると、自律神経の切り替えをスムーズに行えなくなります。その結果として、交感神経ばかりが強く働いて緊張や興奮状態が長時間続くことで、心身を休めたくても休めない状態に陥り、ストレスを増やしてしまうのです。

CBDは自律神経のバランスを整える

CBDは自律神経のバランスを整えてリラックス状態に導いてくれます。そのメカニズムについて簡単に説明します。

体内バランスを改善するCBD

私たちの体は「ECS(エンド・カンナビノイド・システム)」という身体調整機能によって、体内バランスを保っています。ECSには細胞同士のシグナルのやりとりをコントロールし、食欲、痛み、免疫、感情、運動機能などを調整する重要な働きがあります。さらに神経保護や認知や記憶などさまざまなことに関係しています。

ところがECSは加齢やストレス、生活習慣の乱れなどが原因で働きが低下し、体内バランスを正常に保つことが難しくなります。その結果として引き起こされるのが私たちが普段感じる不調なのです。CBDにはECSの働きを回復させる作用があります。ECSが正常に働くようになると、体内バランスを改善されるためストレスに対処できるようになります。

ストレスへの抵抗力が高まり自律神経の働きを正常化する

自律神経は脳の視床下部がコントロールしています。ところが脳が強いストレスを感じると、視床下部の機能が低下して自律神経の切り替えをスムーズに行えなくなります。CBDによってECSの働きが回復すると、脳のストレスへの抵抗力が高まります。その結果として、視床下部への悪影響がなくなり、自律神経が正常に働くようになります。

脳を安定させ神経を保護するCBD

慢性的なストレスは神経細胞にダメージを与えて脳を萎縮させてしまいます。CBDには脳をより安定した状態へ導き、神経を保護する働きがあります。その結果として、ストレスによる脳への悪影響が緩和されて、自律神経の乱れも治まります。

副交感神経が優位になりリラックス状態に導かれる

CBDによって自律神経のバランスが整えられると、交感神経の働きが抑制されて副交感神経が優位になります。緊張や興奮から解放されることで、心身が落ち着いてリラックスできるようになります。

ストレスが溜まっていると感じたときは、夕食後にCBDオイルやサプリメントを使用すると良いでしょう。経口摂取しても肌に塗っても効果が期待できます。夜は副交感神経を優位にして心身を休める時間です。CBDによってリラックス状態に導かれることで、ストレスが緩和されてぐっすり眠れるようになります。

医療目的での活用が模索されているCBD

自律神経失調症への効果が期待されている

自律神経の不調が慢性的に続くと「自律神経失調症」と診断されることがあります。強い疲労感や倦怠感、めまいや頭痛、酷い発汗やほてりといった症状が現れるのが特徴で、深刻な不調から日常生活に支障をきたす悩ましい病気です。しかもこの病気は根本的な治療法がありません。そこで期待されているのが、脳のストレスへの抵抗力を高めることで自律神経のバランスを整えるCBDなのです。

日本では医療用大麻の使用が認められていない

高い効果が期待されているCBDを自律神経失調症などの病気の治療に使えたらどんなに良いことでしょう。

アメリカでは約半分の州で医療用大麻の使用が認められています。しかし、日本では麻薬取締法によって医療用大麻の使用が禁止されています。マリファナの主成分であるTHCだけではなく、CBDも医療目的で使うことができません。ですからCBDを配合した医薬品を開発製造することができず、大麻から製造された医薬品を使うこともできないのです。また大学などの研究機関での研究も少なく、2019年4月現在、臨床試験が行われたという報告はありません。

国内でも医療用大麻の解禁を求める声が高まっている

「WHO(世界保健機関)」は100近くの疾患について、CBDの高い有効性と安全性を認めています。さらにアメリカでは医療用大麻の解禁が進んでいて、2019年現在、50州のうち首都ワシントンDCを含めて33の州で使用が認められています。

この流れを受けて日本国内でも医療用大麻の解禁を求める声が高まっています。2019年3月19日、厚生労働省は国会質疑で医療用大麻の使用は「限定して可能」という答弁を行っています。この答弁を受けて聖マリアンナ医大では医療用大麻の治験を行うことを決断しました。全面解禁への道のりは険しいものの、少しずつ医療用大麻の使用を認める流れができつつあります。もしかしたら近い将来、CBDを配合した医薬品が普及しているかもしれません。

なお種子や茎から抽出したCBDそのものは現在でも合法であり、市場に流通しているサプリメントやオイルを民間薬として使うことは可能です。

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